Blog by Guanpeng Chen


2025年3月ゲーム開発月報

IGFとGDCA

今月のGDCで行われたIGFとGDCAの授賞式(英語)を見た。ほぼスキップなしで見終わったのは今回が初めてで、今まで一番制作と内容のクオリティが高いIGFとGDCA授賞式かもしれない。

IGFで日本発のインディーゲームがノミネートされるのはほとんど見たことがなかったが、今回は『8番出口』と『都市伝説解体センター』があった。IGFのテースト(審査員陣の構成)はいつもとあまり変わってないので、単純に日本発のインディーゲームの水準が高くなった、あるいは日本のインディーシーンが盛り上がっているかと。ちなみに、中国の個人開発者Kevin Duの作品、2年連続でNuovo AwardにノミネートされたのもIGF史上初かもしれない。そして韓国の個人開発者Somiさんがゲームを長年作り続け、今年ようやく『未解決事件を終わらせないといけないから』でノミネートされたのを見てもなんか嬉しかった。

IGFにノミネートされたらアメリカに行く、という思いはいつも頭の片隅にある気がする。賞を取りたくてゲームを作っているわけではないけれど、これだけはモチベーションに繋がっている。

今回の授賞式の個人的なハイライトは、Sam LakeとLucas PopeのGDCA受賞スピーチだった。これからも彼らが言ったような姿勢で、自分に忠実なゲームを作っていくつもりでいる。

2本目のゲーム作品を完成させた

3月26日の夜10時2分に、『ノアのジレンマ』の全ての内容が完成された。2本目の商業ゲームで初めての完全ソロ作品で、約一年半(540日)をかけてフルタイムで作り上げた。

しかしあくまで内容の完成で、これからはまだQAのタスクが残っている。ゲームって、完成しないものだよね。発売後も不具合修正や内容のアップデートなどが控えているから、発売前の全ての内容が完成された瞬間だけはこういう風に観測できる。とりあえず5月の頭くらいの自分の目標より遅延なくリリースできそうでよかった。発売はいろんなプレッシャーが伴っているので、この完成の瞬間こそが開発中一番嬉しい時かもしれない。もう少しこの嬉しさを味わおう。

次のゲームの構想

ゲームの完成と同じくらい嬉しいのは次に作るゲームを本格的に考え始められることだ。振り返って見ると今回のゲームの規模はやはり大きすぎた。一年半の開発期間で一本の新作を作る場合、もし失敗を喰らったら、次のゲームを作る資金が足りなくなるかもしれない。一年半は今(収入が安定していない時期)にとってはリスクが高すぎるのだ。限られた資金でインディーゲームだけで食っていきたいなら、複数のインディーゲーム開発者先輩が言っていたように(そして自分の経験から考えてもやっぱり)、一番理想的な開発スケールは6ヶ月でリリースできるものにほかならない。

ゲーム開発は意外が多くて、作る途中でスケールは簡単に膨らむから、最終的に6ヶ月で済まなくても、構想段階で6ヶ月でリリースできるものに限定して考えていた場合、一年以内出来上がるチャンスもだいぶ増えるはず。実はLucas Popeさんの『Papers, Please』はまさにこのルートを歩いていた(6ヶ月のつもりで作り出して9ヶ月で完成)。

で、6ヶ月のスケールでどんなゲームを作る?最近高評価の推理ゲームをたくさん遊んで気づいたのは、よくできている推理ゲームの供給が全然足りないことだ。推理ゲームは、Steamでよく売れているホラーゲームと同じく、一回クリアしたらもう一回遊ぶ意味はあまりないので、満足したら次から次へと似たようなコンテンツを求めていくので、さらにナラティブ重視のゲームは自分の適性にもピッタリだし、ジャンルとしては最適かもしれない。

そしてジャンルはともかく、ぱっと見て「一味違う」かどうかのほうがずっと重要だ。個人的な意見ではあるが、個人開発者の優勢を完全に発揮するには、企業や複数人のチームが作りそうなゲームを作ったらダメだ。実は『ノアのジレンマ』はまさにそういう類にはまってしまうから、宣伝が結構難航していたと今思っている。せっかくリスクを負って、出版社、パブリッシャーやチームというフィルターも通さずに、一人の独断で作品を世に出すチャンスなのに、安全に見えそうなコンテンツを作るのは中途半端なのだ。

「安全=面白くない」と言いたいわけではなく、『ノアのジレンマ』も実は相当面白いゲームに仕上げたと思うけど、今時の新作が溢れるマーケットでは、目立たないタイトルはそもそも遊んでもらえない。『ノアのジレンマ』も含め、遊んでみないと(或いは他の人が遊んでいるところを見ないと)面白いと感じにくいタイプのゲームも多々ある。要するに、次に作るゲームはどんなジャンルでも、積極的かつ巧妙にタブー(異常さ)を取り入れるべきだと考える。

まだ構想段階でプロトタイピングも始まっていないけど、最近書店で見かけた『ある行旅死亡人の物語』というノンフィクションが面白くて、推理ゲームに繋がりそうでその方向に模索中。新しいゲームの作業はしばらく『ノアのジレンマ』のタスク後のデザートみたいな存在になりそうだ。

リリースに向けて来月の計画

仮に5月の頭にリリースするなら、残りの準備時間は一ヶ月。4月はリリースに向けて:

  1. - QA(不具合修正とバランス調整)を最優先に終わらせる
  2. - Steamにて自分が設計した30個のアチーブメントを全部取る
  3. - できるだけ多くのSNSで宣伝活動をする
  4. - Steam発売の時に流れるプレイ映像を撮る
  5. - リリーストレーラーを作る
  6. - リリース日を決める


という計画を立っている。

次に会うのは発売直前になると思うが、それまで順調にいけたらいいな!

GP

2025.4.1