Blog by Guanpeng Chen


2025年8月ゲーム開発月報

GMTKJam 2025

8月のはじまりは三度目のGMTKゲームジャム。今年のお題は「Loop」で、「ナラティブ」という採点のカテゴリーも新設されたので、自分に相性がいいナラティブ方向で考えてみたら、誕生から死までの「命のループ」をテーマにするゲームを思い付いた。

睡眠をちゃんと取ったとしても相当疲れた三日間の開発を経て、「命のループ」を自らコントロールできる『Life Loop』というゲームができた。結果として、ナラティブのスコアが上位2%(194/9652位)にランクインできた。それなりに評価されて、うれしい気持ちはもちろんあったけれど、ゲームジャムは結果のために参加しているわけではないので、今回の収穫はどちらかというと少ないほうだと後に思った。去年の時には、ゲームジャムによって普段思いつかないアイデアを得た感じだったけど、今回はただ試験のお題に答えを出しただけの手応えだった。

ゲームジャムが悪いとかじゃ全然なくて、単純に今のぼくは、自分が本当に作りたいゲームしか作りたくないなと気が付いた。そういう強い意思を持っていれば、たぶんゲームジャムとかに参加せず、直ちに作りたいものを作るほうが正しいかもしれない。まあでも、その認識も、今回出来上がった自分らしい『Life Loop』というゲームも、参加したからこそ生まれた貴重なものなのだ。

新作の進捗

ゲームジャムが終わった後、次に作る短篇新作の企画がようやく決まられて、ずっと作りたかったビジュアルノベルというジャンルに手を出すことに。

『ノアのジレンマ』を一年半かけて完成させて分かったのは、ぼくは心底から物語に渇く人間なのだ。どんな形のゲームを作ろうとしても、物語を語る衝動は抑えられない。ビジュアルノベルはゲームの中では一番物語に焦点を当てるジャンルだからこそ、作るのが怖かった。そこで失敗したら、いろいろと幻滅してしまう気がする。でも、作らない選択肢は自分の中には始終ないのだ。そしてこの8月、その「作る時」が来たと確信し、いよいよ作り始めた。

8月上旬が終わった頃、脚本の初稿は50%まで書けた。ずいぶん早いとは思ったけど、あくまで初稿で、また何回も書き直さないといけない気がする。でも久々に物語が作れて、本当に気持ちがよかった。ビジュアルの方もその頃にドット絵で行くと決めて、完成までの道のりはハッキリと見えていた。しかし当然、ゲーム作りはそう上手く行くはずがない。

憂鬱

初稿半分まで書き上げたあと、SNSでDraknek New Voices Puzzle Grantというコンテストを知って、来月の締め切りまでちょうど別の作りかけたゲームで応募できそうなので、急にその別のゲームのDEMO作りにシフトした。バタバタしたせいか、溜まってきたストレスが限界を超えたか、シフトして間もなく憂鬱な気分になってしまった。

ゲームを作るのが苦痛になった。でも締め切りがあってゲームを作らないといけない。そんな状態でDEMOをとても遅いスピードで作っていた。ゲームを楽しく作れる日々がとても遠くに見える。そして日を重ね、どんどん楽しいコンテンツを摂取できなくなって、自分の状態に同調するコンテンツしか耐えられないようになった。憂鬱なものが慰めになってくれた中、山本直樹漫画にドハマり。元々好きな漫画家さんだけど、ここ最近猛スピードで大ファンになった。持っていない漫画単行本を買い集めることがストレス発散にもなった(絶版ものが多すぎる!)。そして気が付けば、山本直樹先生画業40周年の原画展が2ヶ月前に既に終わっていた。「これが人生」と言わざるを得なかった。

この状態はいつまで持続するのだろう?理屈でいうとたぶんコンテストに無事提出したらだいぶ楽にはなる。そして黙ってないで、もっと作ってるゲームのことを共有する(まず共有できる画面を作らないといけないけど)のも今の沼から脱出する一策だと思う。とにかく、早くまた楽しくゲームを作れるようになりたいな。9月の目標はそれだけ!

GP

2025.9.1